さくらひらりの下を




先日、恩師と共に母校に足を運び
今先生がいらっしゃる学校と合同で
30名程の現役生と 
ワークショップを致しました。

真直ぐであることも
頑なな部分も 
すべてまだ美しい年頃。

彼らと一緒に過ごすと
此方が気付かされることも多く
こうして係わらせて戴けている事に
感謝しています。


帰りがけ、ふと見ると
歴代の演劇部が受賞した際の賞状や楯がずらりと並んでおりました。
「ほら、ほら」
と先生が指した先には、当時の私たちの写真が。
ぎゃふん。
私も高校生だったのだなぁ。

自覚できる成長なんて 僅かです。
客席から先生の独特な笑い声が聞こえるとき
私はいつも 高校時代に戻ってしまう気が致します。
あの頃の私が
「あ!」と小さく跳ねているような。


帰り道は二人で
桜の下を自転車でゆっくり走りました。

高校を卒業して十年以上経ち
先生も一緒に年齢を重ねているのだけれど
いつでも
あの頃に戻れるのがとても嬉しいです。

そして
あの頃は知らなかった先生に
年々出会えるのもまた、
長く付き合わせていただいているからこその
喜びでございます。

同じだけの喜びや感動を
私はお返しできているのかしら・・・
と思いながらかつての先生の通学路を
一緒に通ったのでした。



大西 玲子



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