乱暴な魔法


大好きな友人と
一緒に過ごした一日の事。

私にとって
演劇を世に生む側でない友人というのは
また別の意味でとても大切です。

彼女には
秘密の出来事も 
おおっぴらにしていない趣味についても 
何でも話せます。
初めて会った時から
あたたかく受け止めてもらっている人です。

先日は一緒に観劇して 美味しいパニーニを食べて
彼女のお母さまにお会いして珈琲をご馳走していただいて
お散歩してお買物して・・・
彼女と一緒にいると些細な事でも楽しめる。
箸が転んでもおかしい、あの頃に戻るような感覚。

お互いのどんな小さな成長についてでも喜び合える。
それってとても大事。

ある、とても辛い日に、彼女に付き合ってもらってお買物をしていました。
なかなか事実を言い出せないまま
化粧品を見たり、アクセサリーを見たり、ただぶらぶらと二人で歩いて。
その時私に電話がかかってきて
相手とのやりとりほんの一言二言、私がした返事を聞いただけで
彼女は私に何があって一緒にいて欲しいと頼んだのかを理解してくれました。
「そっかー」
「うん、そーなんだー」

そしてその後ぴったりと同じ言葉を同時につぶやいたのです。
少し、荒々しく乱暴で私たちには似合わない言葉。
救われました。あれは魔法の言葉。



大西 玲子




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