夏目漱石とねこ no お知らせ


次回出演作品の詳細でございます。
皆さまにお会い出来る幸せな日を
楽しみに、過ごしております。
青☆組とはまた違う一面を
是非見届けていただきたいです。

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座・高円寺 冬の劇場26
日本劇作家協会プログラム
DULL-COLORED POP
vol.15
『夏目漱石とねこ』
作・演出:谷賢一

「吾輩は、夏目家三代目の猫である。名前はやっぱり、ない。
 初代はともかく、二代目、三代目と名前をつけぬ。家人も誰も構ってくれない。放っといてもらう方が気が楽だから不満があるでもないのだが、一体全体、飼う気があるのか、甚だ疑問だ。
 この間など、よしここは一つ愛玩動物らしいところを見せてやろうと、主人の膝の上で甘えてみた。すると「抜け毛が酷い、病気だろう。クロロホルムでも嗅がせて殺してやった方が苦しまなくて幸せだ」などと言う。全く人間ほど不人情なものはない。殺されるのも癪だから、せっせと食事し運動して病気を治した。すると今度は主人の方が体を壊して寝込んでしまった。どうやらそろそろ死ぬらしい。身勝手な奴である。
 胃病だから食事を控えろと言うのに、人の目を盗んで布団を這い出て、戸棚からジャムを舐めたり、お見舞いの饅頭を盗み食いしたりと子供のようだ。そうして隠れて食っておいて、五分と経たず血と一緒に吐き出して、余計に体を弱らせている。ご夫人が心配してたしなめると、怒髪天を突く勢いで怒鳴り散らす。弱っているので怒鳴るだけだが、吾輩はよく知っている。昔はよく殴っていたものだ。ご夫人や、子供らを。
 こんな奴でも死ぬとなると、先生、先生と言って人がぞろぞろ集まってくる。誰も彼も、この男の正体を知らぬらしい。日本を代表する国民的作家、漱石先生と呼ばれているが、何のことはないただの人だ。いいや、人より、さみしい人だ。誰よりもさみしい、一人ぼっちの。そこは吾輩が一番よく、知っている」──
 知ってるようでよく知らない、夏目漱石の人となり。三十代半ばで文学者に転身し、孤独、軋轢、すれ違い、そして三角関係の恋を描き続け、どうにかこうにか「さみしさ」を生き抜いた心の奥底を猫と一緒に覗き込む、DULL-COLORED POPの最新作です。

■出演
東谷英人  塚越健一  中村梨那  堀奈津美  百花亜希  若林えり
(以上、DULL-COLORED POP)
大西玲子(青☆組)
木下祐子
西郷豊
榊原毅(三条会)
佐藤誓
西村順子
前山剛久
山田宏平
渡邊りょう(悪い芝居)

■会場
座・高円寺1
東京都杉並区高円寺北2-1-2
(JR中央線・高円寺駅北口より徒歩5分)

■日程
2015年2月
05(木)19:00☆
06(金)19:00☆
07(土)14:00/19:00
08(日)14:00
09(月)19:00○
10(火)休演日
11(水・祝)14:00
12(木)19:00
13(金)14:00
14(土)14:00/19:00
15(日)14:00

☆…プレビュー公演
○…アフタートーク(谷賢一×夏目漱石)

■チケット(全席指定)
一般:4,000円
U-25:3,500円
プレビュー公演:3,000円

■ご予約はこちらへ
【   http://ticket.corich.jp/apply/61182/008/   】

劇場で、お待ちいたしております。


大西玲子

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