とわの愛よ、恋よ。

こんにちは。
また、暑くなってきましたね。
お元気ですか?

こんなこと、公にすることでもないのですけれど、少しだけ、お付き合い下さい。

先日、福島の祖父が永眠いたしました。
福島県いわき市勿来が、母のふるさとです。
この地の、熱を、人のあたたかさを、私も幼いころから肌で感じて生きてきました。
今回のことでも、それを再確認しました。

まだ式の前でしたのに、沢山の方がまずは祖母の顔を見に、と、家まで足を運んで下さいました。
お花屋さんが、「生気をなぐしっちゃだめだよ」と、真っ白なお花を数種綺麗に選んで、鉢にして持って来てくださいました。
お隣の方も、まだ越してきてそんなに経たないのに、「いーづでも話し相手にはなるがらね」と。小学生の娘さんも、恥ずかしそうにしながら一緒に来てくれた。
誰かいらっしゃる度に、忙しいのだけれど、でも、私は嬉しかった。

祖母も、祖父も、多趣味な人です。
祖母は裁縫、お花、書道、墨絵、刺繍、木彫、社交ダンス。一部お免状も持っていて先生をしています。
祖父は、テニス(ダブルスで国体選手だったことが判明、祖父よ、何故黙っていたのか)、写真、俳句、そして社交ダンス。

写真の句は、祖父がよみ、祖母が書いたものです。
祖母は、ぽつりぽつり、祖父とのなれ初めや、他にも色々な初めて聞く二人のものがたりを語ってくれました。
二人の出会いが小さなダンスホールだったなんて、今の今まで、本当に知らなかった。
祖父が祖母のお誕生日に、必ず真っ赤な薔薇の花束を贈り(白い花鉢を届けて下さったお花屋さんに毎年お願いしていた)、祖母と花とを写真に収め、「誕生日アルバム」をつくっていたなんて知らなかった。私の誕生年からはじまる、文字が添えられた写真たち。

これから少しずつ、二人のものがたりを聞いていこう。
祖母が話したいことを、ゆっくりと。

最後にご紹介するのは、祖父23歳、祖母27歳(当時、祖父には22歳だと言っていた。というか祖父が「22歳に見える」と言ったので「じゃそういうことで」としていた。この話もとても面白かった。)、初めてのデートでクラシック音楽のかかる喫茶店に行き、
(以下、本当は西の方言)

祖父「これ、プレゼントです」
祖母「いえ、私は男の人から頂き物はしない主義なんです」
祖父「開けてみていただけませんか」
祖母「本当に結構です」
祖父「いや、一回、一回開けて中を見てください」
祖母「・・・。」

問答の末、しぶしぶ箱を開け、一瞬で祖母の心が桃色になった贈り物です。
鼻歌を歌いながら、『北極』でアイスキャンデーを土産に買って帰ったくらいルンルンだったそうです。
木彫りの、犬のオーケストラ。
まぁるい台には、指揮者がいました。
その子は、祖父のお供にと、祖母が棺に入れました。


じぃじ、大好きだよ。
ありがとう。

玲子

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